#140 「頭では分かっている」のに変わらない時

頭では分かっているのに変われないんです
コーチングをしていると、こうした声を耳にすることはよくあります。

頭では「変わったほうがいい」と十分理解しているのに、感情や行動が追いつかない。自分が変わる気が全くしない。

私も、「私はやり始めたことを最後までやり遂げられない人」と心の奥でずっと信じていました。この言葉を始めて口にした時、コーチの前で号泣しました。

論理的に考えたら違うと分かるけれど、自分の意識ではどうしても「真実と感じる」

そんなしつこい思い込みをついに手放したのは、ある意味で「頭での理解」を諦めたから。

人が変わらないで現状にとどまってしまう理由」をNLPのコア・トランスフォーメーションという手法も数十年にわたり世界中で教えているタマラ・アンドレアスさんがシェアされていました。

その内容がとても納得して学びが深かったのでシェアします。

ポッドキャストはこちらからお聞きください。

目次

1. 「頭で理解する」にこだわる

まず一つ目は「頭の理解」に頼りすぎること。

もと研究者の私は、「原因を追求すること」「問題を明らかにすること」、そして原因を取り除き、問題を解決することが得意で大好き

そんな方いませんか?

本当の原因さえ分かれば、問題が解決できるはずと、なぜ自分がそうなったのか?理由や原因をつい追求してしまう。

例えば、

なぜ私は会議で意見が言えずにオドオドするのか?ああ、子どもの頃に笑われた体験が原因だ
私はやり始めたことを最後までできない。だって、薬剤師の試験にも落ちたから

または、「過去」や「生い立ち」のことについて、何度も繰り返し話したり、思い出して「だから、私はこうなった」「これは性格だから変わらない」と頭で深く納得する。

過去の自分への理解は、確かに「今の私」を理解するには大切でした。ただ、より深く理解しただけでは、根本的なところで変わらなかった。

そしてなぜ変わらないのかわかりませんでした。

「意識ではどうしても変えられない領域がある」と意識での理解の限界を受け入れることが最初の一歩になりました。

頭で理解することを諦めた時、新しい道が見えてきました。

2. 意志の力で格闘する

二つ目は「意志の力」に頼ること。

  • 明日から
  • 朝早起きしよう
  • もっと声をかけよう
  • 子どもに怒らないようにしよう
  • 会議でもっと発言しよう

と意志の力で、行動を変えようと気合を入れる。

やればいいと分かっているのにできない。また三日坊主で続かない。

コーチング中にも、「意志の力で行動パターンを変えようとする」場面はよくあります。

明日から、早起きしようと思います
スマホでSNSは一日30分にします
夜は10時に寝ます
毎日ジャーナリングします

など。

意志の力で「やる」と思ったことは、ほとんどできないと思いませんか?やるまえから「どうせ無理」と思う自分もいる。

私も同じです。意志の力では、続かない。年を取れば取るほど、その傾向が強くなってます。

50歳をすぎたら、自分の意志の力はあてにしなくなりました。

「寝よう寝よう」と思うほど目が冴えていく夜のように、やろう、やろうと思うほどできない。

意志は役に立つときもありますが、無意識が反対していることには無力です。

3. 気をそらしてごまかす

三つ目は「気をそらす」こと。

ついスマホへ手が伸びて、ちょっとの気分転換のつもりがあっという間に1時間、さらに1時間すぎていく。

変わることよりも、食べ物、動画、買い物で気分をまぎらわしたり。

自己啓発セミナー、ジャーナリングなどなど。あれこれ試して、 一時的に変わった気になるけれど、講座が終わればまたもとの日常へ

瞑想している時は気持ちが良く前向きだけど、その気分も長続きはしない。

一時しのぎを繰り返しても、やはり心の奥深くの無意識レベルで変わらないと、またリバウンドして戻ってきます。

瞑想もジャーナリングも、症状を抑えているだけで「あり方の変容」までは至らない

どうすれば人は変わるのか?

通常の「言葉」での意識的(顕在意識)なコーチングには限界がある。というのが、これまでアメリカ、日本でコーチングを学び数年間クライアントと向き合って分かったことです。

行動、思考、感情レベルでの「あり方」の変容はコーチングセッションでもよくあります。ただ、無意識の構造レベルの変容となると、通常の言葉でのコーチングでは難しい

私もコーチングを受け、深い変容を経験しました。その時は、号泣というか嗚咽というかそれはとても辛い体験でもありました。

その結果、本質的に深いレベルで変わったかと言うと、確かに意識レベルでの変化は感じました。でも、さらに奥深いところに、変わりきれない塊が沈んでいるのを感じていました。

その奥深く、言葉にすらならない塊は、無意識の領域に沈んでいるもので、通常のコーチングでは手が届かない場所にありました

スピリチュアル系の癒やしやエネルギーヒーリングを受けたのですが、やっぱり何かが残っている感じ。

存在そのものの深い「存在のあり方」の変容となると、言葉や理屈では無理です

例えば

  • 私には価値がない
  • 私には、絶対にできない
  • 私はダメだ
  • 私は、どこかまだ足りていない感がある
  • 不安になる必要はないのに不安になる

こういった、理屈では分からない、存在のあり方の変容は、無意識へのアクセスが効果的でした。

無意識の変容で変わる3つのB

私が無意識レベルでの変容に取り入れているのが、コア・トランスフォーメーションという手法です。

コア・トランスフォーメーションは、コニレイ・アンドレアス(Connirae Andreas)によって開発されました。彼女はNLPのパイオニアとして広く知られ、数十年にわたり人間の変容に携わってきました。本手法は世界中で教えられ、心理療法・コーチング・自己探求の分野で高く評価されています。

最初にアメリカで体験して、これまでにない感覚で深く無意識レベルで変わる経験をしました。これまでのコーチングとは全く別次元

あまりに衝撃的だったので、その手法をタマラ氏から直接学びました。

コア・トランスフォーメーションは、私たちの体験を3つのレベルで変えていきます。

  1. Behavior(行動) … 反応や習慣が変わる

例)子どもに怒る、食べ過ぎる、いつもギリギリになる

  1. Belief(信念) … 制限的な思い込みが書き換わる

よい母親は毎日ご飯をつくるべき(社会的な信念)

私にはできない、私は変わらない、これは私の性格だから(根深い思い込み)

  1. Being(存在感) … 「私は大丈夫」という根源的な安心に触れる

私は不十分、価値がない、自分は邪悪なもの(存在のあり方)

この3つのBを内側の深いところから変えるので、意志の力も、リミッティングビリーフの頭での理解も必要ない。

普通のコーチングをしているとちょっと信じられないことなのですが。

言葉で説明するのは難しいけれど、確実に無意識の深いレベルで構造が変わっている」そんな体験です。


理解より、実感

人はしばしば「理解すること」に安心感を求めます。「なるほど」と頷くと、問題を解決したような錯覚に満足してしまいます。

頭で理解することで、変わることももちろんあります。新しい視点を得ることもあります。

論理的なコーチング、行動変容のための思考や深い感情レベルでのコーチングをやってきて思うのは、さらに深い無意識の「存在のあり方」の変容は、理解ではなく「体験」からやってくること

そしてその体験は、無意識の深いレベルで内側から起きたときに、表に出ている感情、思考、行動が自然と変わる。

内的な深い調和、心の奥から満たされた感覚。その「体感」こそが、変容の源でした。


おわりに

あなたがもし変容しないのは、努力が足りないからではありません。
間違ったやり方やアプローチに頼っているからかもしれません。

頭での理解を手放し、無意識の深い欲求を満たすとき、行動も信念も存在感そのものも変わっていきます。

「変わらなければ」と頑張るかわりに、深く深呼吸をして「あなたが本当に望んでいるものは何か?」心からの声を聞いてみてください。

人生の踊り場から、次のステージへ

今、自分がどういう中年の変化の中にいるのか?ミッドライフ成熟度チェックリストを作りました。

20代、30代と同じ価値観のまま、40代、50代を過ごそうとすると、脳と心は深刻な不調をきたします。

このワークを通じて、「今、自分の中で起きている構造改革」を客観的に理解してみましょう。


それは、あなたがこれまでの経験を「知恵」に変え、より大きな影響力を発揮する「成熟した大人」へと、サナギからきれいな蝶へと変容するための、最も大切なプロセスです。

このチェックリストは、あなたの本質に寄り添いながら、次のレベルへと進むためのコンパスです。ぜひご活用ください。

ご希望の方は、メールでお送りしますので受取先のメールアドレスとお名前をご記入ください。

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この記事を書いた人

国内商社のビジネス開発・米国バイオ研究者を経て、47歳でライフコーチへ。科学的根拠と内面探究を組み合わせた、異色のコーチとして、40代・50代の変容に関わる。ポジティブ心理学・成人発達理論をベースにしたライフコーチ。アイオワの田舎で夫と息子の三人暮らし。

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