「頭では分かっているのに変われないんです」
コーチングをしていると、こうした声を耳にすることはよくあります。
頭では「変わったほうがいい」と十分理解しているのに、感情や行動が追いつかない。自分が変わる気が全くしない。
私も、「私はやり始めたことを最後までやり遂げられない人」と心の奥でずっと信じていました。この言葉を始めて口にした時、コーチの前で号泣しました。
論理的に考えたら違うと分かるけれど、自分の意識ではどうしても「真実と感じる」。
そんなしつこい思い込みをついに手放したのは、ある意味で「頭での理解」を諦めたから。
「人が変わらないで現状にとどまってしまう理由」をNLPのコア・トランスフォーメーションという手法も数十年にわたり世界中で教えているタマラ・アンドレアスさんがシェアされていました。
その内容がとても納得して学びが深かったのでシェアします。
ポッドキャストはこちらからお聞きください。
1. 「頭で理解する」にこだわる
まず一つ目は「頭の理解」に頼りすぎること。
もと研究者の私は、「原因を追求すること」「問題を明らかにすること」、そして原因を取り除き、問題を解決することが得意で大好き。
そんな方いませんか?
本当の原因さえ分かれば、問題が解決できるはずと、なぜ自分がそうなったのか?理由や原因をつい追求してしまう。
例えば、
「なぜ私は会議で意見が言えずにオドオドするのか?ああ、子どもの頃に笑われた体験が原因だ」
「私はやり始めたことを最後までできない。だって、薬剤師の試験にも落ちたから」
または、「過去」や「生い立ち」のことについて、何度も繰り返し話したり、思い出して「だから、私はこうなった」「これは性格だから変わらない」と頭で深く納得する。
過去の自分への理解は、確かに「今の私」を理解するには大切でした。ただ、より深く理解しただけでは、根本的なところで変わらなかった。
そしてなぜ変わらないのかわかりませんでした。
「意識ではどうしても変えられない領域がある」と、意識での理解の限界を受け入れることが最初の一歩になりました。
頭で理解することを諦めた時、新しい道が見えてきました。

2. 意志の力で格闘する
二つ目は「意志の力」に頼ること。
- 明日から
- 朝早起きしよう
- もっと声をかけよう
- 子どもに怒らないようにしよう
- 会議でもっと発言しよう
と意志の力で、行動を変えようと気合を入れる。
やればいいと分かっているのにできない。また三日坊主で続かない。
コーチング中にも、「意志の力で行動パターンを変えようとする」場面はよくあります。
「明日から、早起きしようと思います」
「スマホでSNSは一日30分にします」
「夜は10時に寝ます」
「毎日ジャーナリングします」
など。
意志の力で「やる」と思ったことは、ほとんどできないと思いませんか?やるまえから「どうせ無理」と思う自分もいる。
私も同じです。意志の力では、続かない。年を取れば取るほど、その傾向が強くなってます。
50歳をすぎたら、自分の意志の力はあてにしなくなりました。
「寝よう寝よう」と思うほど目が冴えていく夜のように、やろう、やろうと思うほどできない。
意志は役に立つときもありますが、無意識が反対していることには無力です。

3. 気をそらしてごまかす
三つ目は「気をそらす」こと。
ついスマホへ手が伸びて、ちょっとの気分転換のつもりがあっという間に1時間、さらに1時間すぎていく。
変わることよりも、食べ物、動画、買い物で気分をまぎらわしたり。
自己啓発セミナー、ジャーナリングなどなど。あれこれ試して、 一時的に変わった気になるけれど、講座が終わればまたもとの日常へ。
瞑想している時は気持ちが良く前向きだけど、その気分も長続きはしない。
一時しのぎを繰り返しても、やはり心の奥深くの無意識レベルで変わらないと、またリバウンドして戻ってきます。
瞑想もジャーナリングも、症状を抑えているだけで「あり方の変容」までは至らない。
どうすれば人は変わるのか?
通常の「言葉」での意識的(顕在意識)なコーチングには限界がある。というのが、これまでアメリカ、日本でコーチングを学び数年間クライアントと向き合って分かったことです。
行動、思考、感情レベルでの「あり方」の変容はコーチングセッションでもよくあります。ただ、無意識の構造レベルの変容となると、通常の言葉でのコーチングでは難しい。
私もコーチングを受け、深い変容を経験しました。その時は、号泣というか嗚咽というかそれはとても辛い体験でもありました。
その結果、本質的に深いレベルで変わったかと言うと、確かに意識レベルでの変化は感じました。でも、さらに奥深いところに、変わりきれない塊が沈んでいるのを感じていました。
その奥深く、言葉にすらならない塊は、無意識の領域に沈んでいるもので、通常のコーチングでは手が届かない場所にありました。
スピリチュアル系の癒やしやエネルギーヒーリングを受けたのですが、やっぱり何かが残っている感じ。
存在そのものの深い「存在のあり方」の変容となると、言葉や理屈では無理です。
例えば
- 私には価値がない
- 私には、絶対にできない
- 私はダメだ
- 私は、どこかまだ足りていない感がある
- 不安になる必要はないのに不安になる
こういった、理屈では分からない、存在のあり方の変容は、無意識へのアクセスが効果的でした。

無意識の変容で変わる3つのB
私が無意識レベルでの変容に取り入れているのが、コア・トランスフォーメーションという手法です。
最初にアメリカで体験して、これまでにない感覚で深く無意識レベルで変わる経験をしました。これまでのコーチングとは全く別次元。
あまりに衝撃的だったので、その手法をタマラ氏から直接学びました。
コア・トランスフォーメーションは、私たちの体験を3つのレベルで変えていきます。
- Behavior(行動) … 反応や習慣が変わる
例)子どもに怒る、食べ過ぎる、いつもギリギリになる
- Belief(信念) … 制限的な思い込みが書き換わる
よい母親は毎日ご飯をつくるべき(社会的な信念)
私にはできない、私は変わらない、これは私の性格だから(根深い思い込み)
- Being(存在感) … 「私は大丈夫」という根源的な安心に触れる
私は不十分、価値がない、自分は邪悪なもの(存在のあり方)
この3つのBを内側の深いところから変えるので、意志の力も、リミッティングビリーフの頭での理解も必要ない。
普通のコーチングをしているとちょっと信じられないことなのですが。
「言葉で説明するのは難しいけれど、確実に無意識の深いレベルで構造が変わっている」そんな体験です。

理解より、実感
人はしばしば「理解すること」に安心感を求めます。「なるほど」と頷くと、問題を解決したような錯覚に満足してしまいます。
頭で理解することで、変わることももちろんあります。新しい視点を得ることもあります。
論理的なコーチング、行動変容のための思考や深い感情レベルでのコーチングをやってきて思うのは、さらに深い無意識の「存在のあり方」の変容は、理解ではなく「体験」からやってくること。
そしてその体験は、無意識の深いレベルで内側から起きたときに、表に出ている感情、思考、行動が自然と変わる。
内的な深い調和、心の奥から満たされた感覚。その「体感」こそが、変容の源でした。
おわりに
あなたがもし変容しないのは、努力が足りないからではありません。
間違ったやり方やアプローチに頼っているからかもしれません。
頭での理解を手放し、無意識の深い欲求を満たすとき、行動も信念も存在感そのものも変わっていきます。
「変わらなければ」と頑張るかわりに、深く深呼吸をして「あなたが本当に望んでいるものは何か?」心からの声を聞いてみてください。
人生の踊り場から、次のステージへ
今、自分がどういう中年の変化の中にいるのか?ミッドライフ成熟度チェックリストを作りました。
20代、30代と同じ価値観のまま、40代、50代を過ごそうとすると、脳と心は深刻な不調をきたします。
このワークを通じて、「今、自分の中で起きている構造改革」を客観的に理解してみましょう。
それは、あなたがこれまでの経験を「知恵」に変え、より大きな影響力を発揮する「成熟した大人」へと、サナギからきれいな蝶へと変容するための、最も大切なプロセスです。
このチェックリストは、あなたの本質に寄り添いながら、次のレベルへと進むためのコンパスです。ぜひご活用ください。
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