「私一人が何かしたところで、変わらない」
政治のことや、世界情勢、社会問題のことは、考えれば考えるほど、ネガティブな気持ちになる。いっそ距離をおき、自分がやるべきことに集中したい。心の健康のためにも絶対その方がいい。
本当にそれでいいの?
絶対的な正解はない。違う意見や価値観の人もいる。私一人の行動が何かを直接解決することはない。
それが分かったうえで、コーチとしてどう関わるのか?考えてみた。
ポッドキャストはこちらからお聞きください。
「ニュースは見ない」もいいけど
ニュースを見ても、悪いことばかり。気持ちがよくない、ネガティブなことばかりを考える。だから「私はニュースを見ません」「SNSもやりません」と、とあるアメリカ人のライフコーチが言っていた。
確かにそうだ!ニュースやSNSなんか見てもしょうがない。と、私も思っていたし、そもそもニュースそれほど興味もなく、全く見ない、読まない時期もあった。
ニュースを見ても、ネガティブな感情に飲み込まれてしまう危険も高い。心配しすぎてSNSから離れられなかったり、不安で仕事が手につかなくなることもある。
そんな時は、いっそのこと「見ない」で距離をおくことを勧めるし、私もそうするし、そうアドバイスもする。
でもね、あの頃の自分はとてもナイーブだったと、今は思う。
SNSで流れてきた大規模なメガソーラー建設による自然破壊の写真が、あまりにも衝撃だった。「見ないこと」にするには、あまりにも心が痛いのだ。

自分の意見を言うのは怖い
社会問題や政治への意見には絶対的な正解がない、どれだけ理論武装をしても必ず反対意見がある。だから価値観の対立から炎上や人格攻撃につながりやすい。
特にSNSのビジネスアカウントは「政治的発信や社会問題への意見は避けるべき」と言われるし、私もそう思う。
自分の意見を言うとは、立場を表明すること。当然、反対側の人は離れることもある。そんな話を聞きたくないという人もいる。
関わらない方がビジネス的には得策だ。ネットでの炎上も批判も怖い。
だから、すべてのコーチが政治や世の中の情勢に関わるべきとか、自分の意見を表明するべきとは思わない。それぞれのコーチが自分で考えることだと思う。
だから政治的な発信をするコーチは、とても勇気があると思う。たとえその意見が自分と違うものだとしても、はっきりと意見を伝えていることに好感を持つ。

この世の中、ネガティブなこともあるさ
ポジティブ心理学は「常にハッピーでいること」を目指しているわけではない。
ポジティブ心理学者のマーティン・セリグマン博士は、ポジティブ心理学の目的を
何が人生を生きるに値するものにするのかを探求する。そして、生きるに値する人生を可能とする状態を築き上げていく。
という。
「自分は、生まれながらの悲観論者」というセリグマン博士は、生きていたら嫌なこと、思い通りにいかないこともある。幸せ感が低い人もいる。それでもきちんと機能することが大切だと伝えてくれる。
社会情勢や政治的にどうしようもない時でも、きちんと機能できるような状態になり、ウェルビーイングを高めること。
この「現実」に根ざした力強さが頼もしい。
政治や社会情勢と関わるのは、これまでの自分と向き合うことでもあり、成長の機会だと思う。
ネガティブな気持ちになりやすいからこそ、ポジティブな感情を味わったり、体を動かしたり、音楽を聞いたり、好きなことに没頭する時間をあえて取ることに気をつけている。

社会問題とコーチ:Black Lives Matter運動
アメリカのライフコーチが社会問題とどう向き合ったのか、一つの例をお伝えする。
Black Lives Matter運動とは
アフリカ系アメリカ人に対する人種差別の撤廃と、特に黒人への不当な暴力や過剰な警察活動への抗議を目的とした国際的な運動。2020年5月25日にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで発生した、アフリカ系アメリカ人男性ジョージ・フロイドが白人警察官によって殺害された事件に対して、Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)というスローガンのもとに広がった。
この当時、オンラインで集客していた人たちの中には広告を控えたり、BLM運動を支持した人もいた。
私が学んでいたコーチングスクールの校長、Brooke Castilloはこの運動が起きたときに、何も動かなかった。広告も変わらず続け、何の言葉も伝えなかった。
「あなたほどの影響力のある人が、なぜ何も言わないのか?何か言うべきではないか?」と黒人女性のコーチたちがSNSを中心に問いかけ、Brookeへ様々な意見が寄せられちょっとした騒動になった。
それに対してBrookeは、ダイバーシティ&インクルージョンのコーチをつけ、その後の数回のポッドキャストで自分の考えを伝え、自身の不勉強や至らなかった点を謝罪した。
そして彼女のスクールは、ダイバーシティ&インクルージョンへの教育へ力を入れ始めた。
彼女のポッドキャストから印象に残った言葉を紹介する。
- 自分に悪気がなかったとしても、相手を傷つけることはある。悪気がなかったは、通用しない。
- 痛ましい事件で胸を痛めるが、行動を起こすほどの痛みはなかった。耐えられないほどの痛みや苦しみを経験したとき、初めて「このままではいけない」と行動を起こす動機が生まれる。
- そのことに参加すること、または参加しないことでも、そのことへ加担する
- 人の認知には限界があり、必ず盲点がある。構造としての問題は分からない。教育で学ぶことでしか気がつくことはない。
- たとえ黒人女性に雇用の門戸を開いても、応募してこなければ手を差し伸べようがない
- 白人女性、黒人女性と分けずに「女性」として見ることができるのは、白人女性の特権。黒人女性は、実体験として「黒人女性」として白人女性とは違うとして認識する。
コーチとしてというより、人としてその問題にどれだけの痛みを感じるかが、行動を起こすかどうかの違いになる。
私にとってはソーラーパネル建設による大規模な自然破壊への痛みは、行動を起こすに十分だった。知れば知るほど他にも出てくるのだが。
参加しないことでも「加担」することになる。それは、嫌だ。
どのような関わりをするかは、それぞれの人によるけれど、見て見ぬふりでは何も解決しないし、変わらない。
あなたは、どのように行動するだろう?

社会問題との関わり方は、コーチとしてのあり方そのもの
最後に、社会問題とコーチとしてどう向き合うかは、つまるところ「どう生きたいか、どんなコーチでありたいのか」を問われている。
この状況の中で、コーチとして何ができるのか?どんな貢献ができるのか?
例えば
- 安心できる対話の場所を提供する
- 運動するとか、自然の中にいくなどポジティブな習慣を広める
- 情報のシェアは、ニュートラルにネガティブに偏りすぎない
- 深刻になりすぎず、適度な楽観性を持つ
- 多様な意見や視点を学び、存在する違いを認める
自分なりの関わり方を私も迷いながら模索している。未来への希望をもちながら。
人生の踊り場から、次のステージへ
今、自分がどういう中年の変化の中にいるのか?ミッドライフ成熟度チェックリストを作りました。
20代、30代と同じ価値観のまま、40代、50代を過ごそうとすると、脳と心は深刻な不調をきたします。
このワークを通じて、「今、自分の中で起きている構造改革」を客観的に理解してみましょう。
それは、あなたがこれまでの経験を「知恵」に変え、より大きな影響力を発揮する「成熟した大人」へと、サナギからきれいな蝶へと変容するための、最も大切なプロセスです。
このチェックリストは、あなたの本質に寄り添いながら、次のレベルへと進むためのコンパスです。ぜひご活用ください。
ご希望の方は、メールでお送りしますので受取先のメールアドレスとお名前をご記入ください。


