#141: お礼と感謝の違い【慈悲の瞑想音源あり】

「お礼と感謝は違う」

ポジティブ心理学の講義の中で聞いた言葉。感謝が苦手だった理由が分かった気がしました。

「感謝」が苦手な人むけに、無理のない「感謝」の気持ちの持ち方をお伝えします。

ポッドキャストはこちらからお聞きください。

目次

お礼と感謝の違い

「感謝」と「お礼」というよく似た言葉。

  • 感謝は、心の奥に自然と生まれる「ありがたい」という気持ち。静かに胸に満ちる感情であり、必ずしも外に出す必要はない。
  • お礼は、その感謝を社会的に表現する行為。言葉で「ありがとう」と伝えることもあれば、贈り物や振る舞いで示すこともある。

日本文化は、「お礼」が礼儀と強く結びついている。社会的に期待される「ありがとう」は時に形式的になり、心の感謝とは必ずしも一致しないこともある。

例えば、夫の上司の奥様からお土産か何かを頂いたら、「ありがとうございます」の言葉だけではなく

常識では、いくらぐらいのものをお返しするべきか?などとネットを検索して、ちょっとしたものをつけてお礼をする人が多いと思う。

私が、感謝ワークが苦手だったのは、感謝=お礼と感じていたから。なにか特別にしてもらったことにお礼をする。

だから、うまくいっていない時に、なにもないところに感謝を感じるのは、難しかった。

感謝へのハードルを上げていました。

感謝とは何か

感謝(Gratitude)は、誰かから思いがけない贈り物をもらったとき、心強い支えを受けたときに自然と湧き上がる感情です。

ポジティブ心理学などの研究によれば、感謝の効用は幅広く、心臓機能や免疫力の改善、深い睡眠、気分の安定、人間関係の満足度向上などが報告されている。

しかし同時に、感謝には弱点もある。

それは「条件つき」になりがちなこと。

健康で、人間関係もうまくいき、物事が順調に進んでいるときには感謝しやすいけれど、困難に直面するとたちまち感じにくくなってしまうもの。

感謝に根ざした生き方(Grateful Living)とは

そこで登場するのが、感謝を一瞬の感情にとどめない Grateful Living という生き方です。

Grateful Livingは、単なるポジティブ思考や楽観主義とは違う。

人生の明るい面だけを見るのではなく、光と影の両方を受けとめる。喜びも悲しみも、大切な体験として抱きしめながら、その中に新たな意味や可能性を見いだそうとする態度のこと。

Grateful LivingのCEOのジョー・プリモ氏はこう述べています。

感謝して向き合うとは、逆境に直面したときに私たちが取る姿勢のことです。それは、目の前のものは望んだものでないかもしれないが、どんな混乱の中でも自分の反応は選べる、という深い理解に基づいています。」

つまり、Grateful Livingとは「どんな状況でも、人生にYESと言える」生き方なのです。

実践の鍵:Stop. Look. Go.

Grateful Livingを日々の習慣にするために提案されているのが、シンプルで実践的な「Stop. Look. Go.」という3つのステップ。

  • Stop(止まる):いったん立ち止まり、今この瞬間に意識を向ける。
  • Look(見る):心を開き、広い視点で状況を眺める。
  • Go(進む):そこで気づいた可能性に基づいて、勇気を持って行動する。

日常の小さな瞬間──朝のコーヒーの香り、友人との短い会話、夕暮れの空の色──に立ち止まり、目を向け、そこから一歩を踏み出す。このサイクルを重ねることで、人生はより豊かに感じられるようになる。

無理やり感謝を探すというよりも、今この瞬間をありがたくおもう。これなら、感謝が苦手な方もとりくみやすいのではないでしょうか?

日本文化に根付くGrateful Livingの感覚

Grateful Livingを知った時、これは日本文化にとても馴染みやすいと感じました。むしろ、もともと根付いているものだと思います。

  • 「いただきます」「ごちそうさま」
     食べ物だけでなく、それを育て、届けてくれた人々や自然への感謝を日常的に表現する習慣。
  • 禅や茶道の精神
     「一期一会」に象徴されるように、一瞬一瞬を大切にする姿勢は、Grateful Livingそのもの。
  • 俳句や短歌
     季節の移ろいや自然のささやかな変化を「ありがたいもの」として味わう伝統は、「Look(見る)」の実践に通じます。

ただ一方で、日本社会では「感謝すべき」「お礼」という規範も強く働くため、形式的なお礼が重視されすぎることもある。そこに私も息苦しさを感じてもいました。

ここにGrateful Livingの本質──「無理に感謝する」のではなく、人生の光と影を丸ごと受けとめ、その中に自然に感謝を見出すこと──を重ねると、私たちの暮らしはさらに豊かで自由になると思う。

感謝の感覚や気持ちを高める効果がある瞑想の中でも、最も有名なのが慈悲の瞑想です。こちらから、お試しください。

自分に感謝する

感謝はお礼とも違う。自分に感謝は、自分を褒めるとも違う。

感謝が苦手だった私が最初にしたのは、自分の体に感謝すること。体の臓器一つ一つに感謝することです。

例えば、心臓は、私が寝ていても起きていても、毎日きちんと働いている。肝臓は、無茶なお酒の飲み方をしても、きちんと動いてくれていた。

この足も、しっかりと動いてくれる。

日頃は当たり前に感じていることも、51年もずっと休みなく動き続けている臓器の一つ一つには、ほんとうにがんばってくれてありがとうと自然に感謝の気持が出てきます。

私のクライアントの方の中にも、感謝、特に自分に感謝が苦手な方は多いです。

そういう方にも、自分の心臓、肺、肝臓、など一つ一つの臓器に対しては、感謝を感じやすいです。

もし感謝が苦手という方は、あなたが自然にありがたいと思うものへの感謝から始めてみてはいかがでしょう?

感謝の気持は、科学的にもその人のウェルビーイングを高めることが分かっています。ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。

人生の踊り場から、次のステージへ

今、自分がどういう中年の変化の中にいるのか?ミッドライフ成熟度チェックリストを作りました。

20代、30代と同じ価値観のまま、40代、50代を過ごそうとすると、脳と心は深刻な不調をきたします。

このワークを通じて、「今、自分の中で起きている構造改革」を客観的に理解してみましょう。


それは、あなたがこれまでの経験を「知恵」に変え、より大きな影響力を発揮する「成熟した大人」へと、サナギからきれいな蝶へと変容するための、最も大切なプロセスです。

このチェックリストは、あなたの本質に寄り添いながら、次のレベルへと進むためのコンパスです。ぜひご活用ください。

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この記事を書いた人

国内商社のビジネス開発・米国バイオ研究者を経て、47歳でライフコーチへ。科学的根拠と内面探究を組み合わせた、異色のコーチとして、40代・50代の変容に関わる。ポジティブ心理学・成人発達理論をベースにしたライフコーチ。アイオワの田舎で夫と息子の三人暮らし。

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